接客フレーズ集Hospitality Phrases
【第1話】「少々お待ちください」をおもてなし英会話にすると?
登場人物
カヨ
東京の人気レストランで働き始めたばかり。お客さまと話すのは大好きで、丁寧な対応を心がけている。ただし、英語が苦手なので外国人のお客さまが来ると“フリーズ”する…。
ヒロシ先生
ホテルのフロントで長年働くベテラン。そのスムーズな対応は外国人のお客さまにも大好評でリピーター客がひっきりなしに訪れるほど。実は、学生時代、英語の成績は悪かったとか…。
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「おもてなし英会話®」レッスン、いよいよスタート!
カヨさんは最近、接客業を始めたばかりというけれど、最近、外国人のお客さまが増えているんじゃない? -
そうなんです! うちのレストランでもどんどん増えてきて。
せっかくなので、あいさつくらいはきちんとできるようにしているのだけど、それ以外は言えないので目を合わせないようにしています…。 -
それでは、きちんとした接客とは言えないよね。
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定番フレーズだけでも言えるようにしたいな…。
例えば「少々お待ちください」とか。 -
「少々お待ちください」は、顔と顔とを合わせての接客のとき、必ず使いますね。このフレーズが便利ですよ。
基本Just a moment, please.
[ジャスタ モゥメンッ プリーズ]
(少々お待ちください)
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あ、よく耳にする言い回し。Just a moment.って映画でもよく聞く、くだけた表現に思えるけど、いいんですか?
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たしかにJust a moment.だけなら、友だち同士のような会話だけど、pleaseをつければ丁寧な表現になるから大丈夫。
ちなみに、より丁寧に言う場合はこんなフレーズも使えます。
応用1Could you wait for a moment, please?
[クッジュ ウェイッ フォ ア モゥメンッ プリーズ]
(少々お待ちください)
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Could you~は「~していただけますか?」のニュアンスを付けたいときによく使うので覚えておくと便利ですよ。
pleaseを付けるとより丁寧な言い方になります。 -
なるほど!
それと、片付け中などちょっと手が離せないときにほかのお客さまに話しかけられたとき、日本語だと「すぐお伺いします」ってよく言うけれど… -
英語でもぴったりの表現がありますよ。
応用2I’ll be with you shortly.
[アイル ビー ウィズ ユー ショートリー]
(すぐお伺いします)
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これが言えたらすごくスマートですね!
じゃあ、けっこう待たせてしまうときは言い方ありますか?
例えば、うちのレストランでは混んでいるとき、入り口でちょっと待ってもらうんですが。
そのとき日本語では「10分くらいお待ちいただけますか?」って言っているんです。
でも、先日、外国人のお客さまには待ってもらうことを説明できなくて、もごもごしていたら、別のお店に行っちゃってショック! -
日本語と同じように具体的な数字を出せば、相手も目安がつかめるので、待ちやすくなりますよね。そのときはこんな言い方がおすすめです。
応用3Could you wait about 10 minutes, please?
[クッジュ ウェイッ アバウッ テン ミィニッツ プリーズ]
(10分ほどお待ちいただけますか?)
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応用(1)と似ているから覚えやすい!
これならお客さんに待ってもらえそう。 -
ご案内できるようになったら、
Thank you for waiting.[サァアンキュ フォ ウェイティン](お待たせいたしました)
と声をかけるとベター。
予想していた以上に長時間待たせているときは、ほっておくのは禁物なので、
I'm sorry to keep you waiting.[アイム ソォリ トゥ キーピュ ウェイティン](お待たせしてしまい申し訳ございません)
と言うと、いいですね。 -
そういえば、外国人のお客さまから電話がかかってくることも多いのだけど、そのときも同じように言えばいいの?
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日本語の場合は同じ表現でOKですが、英語の場合、電話での「待つ」は違う表現になります。waitではなくholdやhold onを使います。
「電話を切らずに待つ」というニュアンスになります。
だから、おすすめはこのフレーズ。
電話編Hold the line, please.
[ホォゥッ ザ ライン プリーズ]
(<電話で>少々お待ちください)
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電線を想像しちゃいますね(笑)。
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そうそう、いいですよ~。
そうやって頭の中でイメージすると、とても覚えやすくなりますから。 -
それにしても、先生に教わって早くも自信が出てきました!
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自信を付けるのはとても大事。
というのも、“外国人のお客さま=みんな英語が堪能”と思いがちだけど、私たちと同じく母国語が英語ではないかたも多いのだから、発音とかを気にする前に、とにかく「はっきり」「大きく」のほうが伝わりやすいんですよ。 -
短いフレーズばかりだから、まずはとにかく大きい声で伝えることを頑張ります。
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私もいまだにそうやって心がけていますよ。
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でも、先生はペラペラなんでしょう?
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いえいえ、おもてなし英会話だけで、文法や単語を覚えるのはとても苦手ですよ。中学生くらいのレベルかもしれません(笑)!
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え~!? ウソー!!(つづく)
第二回はヒロシ先生がなぜ英語が中学生レベルなのに、おもてなし英会話ができるのか…。